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脳卒中の原因と対策について

脳卒中とは脳の血管が詰まったり、破れたりしたため、その先の細胞に栄養や酸素が届かなくなり脳細胞が死んでしまう病気です。現在は医療技術の進歩によって死亡率は低下傾向にありますが、発症者数は増え続けています。脳卒中を発症すると、障害を受けた脳が司っていた身体機能や言語機能が失われたり、場合によっては死に至ることもあります。また寝たきりの原因となる疾患の第1位であり、要介護となる原因の38%を占めます。脳卒中は、脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の中の細い血管が破れて出血する脳出血、脳動脈瘤(りゅう)という血管にできたこぶが破裂して出血するくも膜下出血の、主に3つのタイプに分けられます

閉塞性脳卒中の種類と原因

 

脳梗塞とは

心原性脳塞栓症

心臓の中に血栓が出来き、それが剥がれて脳の血管に詰まって起こります。主な要因は心房細動、心筋症、心臓弁膜症です。脳梗塞のなかでももっとも重篤といわれています。

アテローム血栓性脳梗塞

首や脳などの太い血管の動脈硬化によって血管が閉塞(へいそく)して起こります。主な原因は高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などです。

虚血性心疾患が合併することもあるので注意が必要です。(心筋梗塞や狭心症を意味します。)

ラクナ梗塞

脳内の細い動脈が変性(へんせい)、閉塞して起こります。最大の原因は高血圧です。運動神経が通っているところに起こると、重い麻痺がでることがあります。

その他の疾患は以下の通りになります。

一過性脳虚血発作

一時的に血の塊が脳の血管を塞ぎますが、すぐに血流は戻ります。症状としては半身の運動麻痺などが起こりますが、24時間以内(多くは数分から数十分)に完全に消えます。直ぐに治まったからと軽視せずに発作後、速やかに脳神経外科、脳卒中専門がある病院を受診して下さい。発作後、放置した半数の方が脳梗塞になっています。

脳腫瘍

脳の中に出来た腫瘍が圧迫して、鋭い頭痛や吐き気、目の異常などが起こります。

脳動脈瘤

脳の血管(動脈)一部が膨らんで弱くなっている部分をいいます。くも膜下出血につながる場合もあります。

脳動静脈奇形

脳内一部で動脈と静脈が「血管のかたまり」を介して直接つながっている状態です。けいれんを起こしたりします。まれに動脈瘤が破裂して、くも膜下出血を起こすこともあります。

もやもや病

脳の太い血管が徐々に細くなり、やがて詰まってしまいます。そして、それによる血流不足を補うために脳の細い血管が太くなり、脳血管撮影でたばこの煙のように「モヤモヤ」した様子に見えるため「もやもや病」と呼ばれます。鋭い頭痛などが起こります。

出血性脳卒中の種類と原因

脳出血

脳の中の細い動脈血管が破れて、出血することで起こります。脳の深い部分でおこるものは高血圧が原因です。脳の表面近くに起こるものは、脳の血管の奇形や脳腫瘍(のうしゅよう)など、別の原因が隠れていることがあり、精密検査が必要です。

くも膜下出血

脳の表面を走る大きな動脈に、動脈瘤(りゅう)ができ、これが破裂して出血するものです。もともと脳動脈瘤がある人、高血圧や飲酒、喫煙も影響するといわれています。

脳梗塞・脳内出血の症状

脳梗塞・脳内出血の主な症状

脳梗塞・脳内出血の主な症状としては以下のようなものになります。

運動麻痺

片方の手足、顔半分のマヒ、しびれ。力はあるのに歩けない、立てない、フラフラする。

知覚障害

体の痛み、体のしびれ、体の感覚がなくなるなど。

言語障害

ろれつががまわらない、言葉が出ない、言葉が理解できないなど。

視覚障害

片方の目が見えない、物が二つに見える、視野の半分が欠ける。視覚障害の症状は、突然、現れるのが特徴です。

くも膜下出血の主な症状

発症すると突然、背中から後頭部にかけて激痛が起こります。吐き気や嘔吐を伴うことが多く、重症の場合は意識がもうろうとします。

脳卒中の予防

近頃は、脳卒中になりやすい予備軍といえる人達が増加しているようです。脳卒中を引き起こしうる生活習慣や病気(生活習慣病)の改善をしないと、脳卒中になるリスクが高まります。そのためには出来るだけ生活習慣病が改善するような対策を行いましょう。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)対策

脂肪量全体の取り過ぎに注意し、肉の脂身やバターなどの摂取は控えめにしましょう。医療現場で代替動物性タンパク源と注目されているのが、鯨の肉です。鯨の肉は牛や豚に比べてタンパク質含有量が高く、脂肪含有量は鶏ささみの約半分です。アレルギーも起こしにくいので、アレルギーの患者さんも安心して食べています。それにLDLコレステロールを回収して、血栓ができるのを防いでくれる、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が豊富な不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)を多く含む食品を摂りましょう。青魚に多く含まれるDHAEPAは、血中の中性脂肪濃度を低くして、血栓を溶かす効果があります。鯨にもDHAEPAが含まれていますが、鯨に含まれる特有の成分DPA(ドコサペンタエン酸)はDHA・EPAの10倍以上の効果があると報告されています。DPAは鯨のベーコンに多く含まれています。また食物繊維はコレステロールや胆汁酸と結合してLDLコレステロールを排出してくれます。食物繊維が豊富な野菜やキノコ類、豆類、海藻類を摂取しましょう。

動脈硬化対策

先ずは、動脈硬化の原因になる活性酸素を除去する抗酸化食品を積極的に摂りましょう。活性酸素は呼吸をしている限り必ず発生するものですが、ビタミンCE、ベータカロチンが豊富な小松菜、しそ、パセリ、ブロッコリー、カボチャ、ニラ、ピーマン、抹茶などの抗酸化食品を食べる事でかなり活性酸素を減らすことができるようです。

高血圧対策

高血圧対策は、こちらの記事を参考にして下さい。

水分補給

水分不足になると、健康な人でも血液の濃度が上がり、脳梗塞を起こしやすくなります。寝る前や起床時はコップ一杯の水を飲み、喉が渇いた時は、こまめに水分補給をしましょう。

終わりに・・・

何を食べるかも大事ですが、それ以上に和食を基本として朝昼晩3食規則正しく、多くの食品をバランスよく摂取することが、脳卒中はもちろん、他の循環器疾患やがんなどの予防にもつながります。あとは運動不足、ストレス過多、過度の喫煙、過度の飲酒にならないように心がけて下さい。