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3歳まではNG?豆やナッツの危険性

消費者庁が「3歳未満の子どもに豆やナッツを与えないように」と注意喚起しているのをご存じでしょうか?身近な食品である豆やナッツですが、与え方を誤ると入院してしまうケースも。今回はそんな豆・ナッツの危険性について解説していきます。

豆やナッツの事故例とは?

消費者庁が把握しているだけでも、子ども(14歳以下)の豆・ナッツによる事故件数は平成22年12月~平成29年12月の7年間で27件。そのうちの20件が3歳未満の幼児によるものです。20件のうち「入院を必要とする状態」になった事故は16件にも及びます。件数は少ないですが、事故が起こった場合は非常に危険な状態に陥ることが多い豆・ナッツの誤飲。具体的な症例について見ていきましょう。

3歳児がピーナッツで呼吸困難に

ピーナッツを食べた直後、激しくせき込み顔色が青白くなったため病院へ。到着時はすでに呼吸困難状態、気管支鏡検査にてピーナッツを除去。

肺炎と診断された2歳児、のちにナッツが原因だったことが判明

肺炎と診断されて入院した2歳児。退院後も激しい咳が続いたため検査を実施。気管支よりナッツの破片が確認された。

枝豆を食べて誤飲した1歳児が1か月以上入院

枝豆を飲みこんでむせ込み、親が背中を叩いて吐き出させたものの喘鳴がおさまらない。病院にて検査し、気道に詰まっていた枝豆のかけらを除去。施術のため全身麻酔を施した。除去後も1か月以上の入院を要した。

他にも豆まきのあとに取りきれていなかった大豆を幼児が口に入れる例や、砕いたナッツを食べて誤嚥した例があります。

小さい幼児(3歳未満)で危険なのは何故?

奥歯が生えそろわず、噛み砕けない

大人のように咀嚼できる能力がつくのは、個人差もありますがおよそ3歳からと言われています。それまでは奥歯がまだきちんと生えておらず、噛み砕くことに慣れていないために「硬い食品を小さくすりつぶす」という行為ができません。

飲み込む・吐き出す力が未発達

食べ物を飲み込むときは、嚥下反射といって気道に食べ物が入り込まないような仕組みが働きます。しかし3歳未満の場合、嚥下反射が未熟です。つまり食べ物が気管支に入り込むリスクが高いのです。また誤って気管に食べ物が入り込んだ時、大人のようにせき込んで食べ物を吐き出すことが上手く出来ません。気管支も細いため、小さなナッツのかけらでも詰まってしまいやすいのです。

大きい幼児でも注意が必要

3歳以上でも注意が必要です。遊びながら、また歩きながら食べている時は嚥下反射が上手く反応せず、食べ物が気管に入り込みやすくなります。また成長にも個人差があり、3歳以上であっても歯の生え方や咀嚼力、嚥下力にはバラツキがあります。また、あまり噛まずに飲み込むような食事のクセも影響します。普段から食べ物をむせ込むことが多い子どもの場合、特に豆やナッツの与え方には注意しましょう。

実はアメやせんべいよりも危ない!

奥歯が生えそろわず、噛み砕けない

他にもアメやせんべいなど硬い食品はあります。しかしアメは丸飲みしても気道に入り込みにくいサイズであること、誤嚥しても水分で溶けてしまいやすいことがあり重症化しにくいと言われています。
また、せんべいも水分を含んでやわらかくなるため、むせ込んだ時に吐き出しやすく軽症で済むケースが多いようです。
しかし、ナッツは水分で溶けないばかりか、水を吸ってさらに膨張してしまう性質があります。気管支で膨張すればもちろん窒息の危険もありますし、小さなかけらでも膨らむことで上手く吐き出すことが出来なくなり、重症化してしまいやすいのです。
ナッツから溶けだした油分は細い気管の中で炎症を起こしやすいので、肺炎や気管支炎の原因となってしまうことも。金属を含まないためレントゲンで確認しづらく、長期にわたって苦しむケースもあるようです。

まとめ、危険を防ぐには?

小さなかけらでも3歳未満は気管に詰まらせてしまいやすいので、砕いた豆やナッツを与えるのも控えましょう。また、大人や上の子が食べている豆・ナッツを食べてしまわないように注意が必要です。菓子類に砕いたナッツを使っていることも多いので、与える前にチェックする習慣をつけましょう。また、豆まきのイベントで誤飲するケースもあります。煎り大豆などをそのまま撒くと部屋の隅や物陰に入ったものを取りきれないので、イベント後に片づけやすい個装パックの豆、豆以外の菓子類を撒くようにするのも一つの手です。