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高齢者の食欲増進につながるかもしれない、水で食事摂取量の関係性

高齢になると、喉の渇きを感じにくくなり、気付いた時には脱水症状を起こしている事もめずらしくありません。夏場だけでなく、特に、冬になると、汗をかかず、喉の渇きをさらに感じない為、自ら水分を摂る機会も減ってしまいます。“水”と言っても、飲料水、ミネラルウォーターなどの飲料だけでなく、果物や野菜、肉などの食物、私たちが口にしている大半のものには、水が含まれています。今回は水と食事の関係性についてご紹介します。

水の大切な役割について

水分は、私たちの体内の60%程度を占めています。体の組織である内臓、細胞や血液までもが、全て、水分を必要とする為、たいへん重要なものなのです。生きる為に必要な酸素や栄養を体内へ運び、必要のないものは体外へ出してくれたり、血液を循環させ、体温を一定に保つなど、生きていく為に欠かせないのが、“水”なのです。

食べ物に含まれる水分について

“水”と言っても、飲料水、ミネラルウォーターなどの飲料だけでなく、果物や野菜、肉などの食物、私たちが口にしている大半のものには、水が含まれています。意外なものにも水分は含まれています。りんごには85%、じゃがいもは80%、鶏もも肉70%、ゴマにも5%、なんと、塩にもわずかに、0.1%の水分が含まれているのです。食物を含め、水がなければ、成り立たないものだらけなのです。

一人一日辺りの水の摂取量とは?

それでは、一人一日当たり、どれ位の水を摂取したら良いのでしょうか。
いちばん求めやすい計算式は必要水分量(ml/日)= 年齢別必要水分量(ml/㎏/日) × 体重(㎏)で算出します。
この計算式の年齢別必要水分量とは・・・

  • 25~54歳 = 35
  • 55~64歳 = 30
  • 65歳以上 = 25~30(30を推奨)

例えば、70歳、体重50㎏のAさんの場合、30(ml/㎏/日)×50㎏=1500(ml/日)となります。
算出された水分量は、全て、飲料から摂るものではなく、食事内に800ml、体内で栄養がエネルギーになる時に作られる代謝水で300ml、合計1100mlが、一日に体内に入っています。つまり、計算上、飲料として飲む水は、400ml/日で良いということになります。しかし、これは、必要最低限の水分量であり、ここでは、最低でも2300ml程度、つまり、飲料として1200mlは、毎日飲んで頂きたいのです。

なにから水分摂取すればいい?

水、お茶、スポーツドリンクなど、飲みやすいもので構いません。高齢になると、誤嚥などの危険性も考えられる為、ゼリーで摂取するのも良いでしょう。

水分摂取が難しい場合は細かく分けて摂取

高齢の場合は細めに摂らないとなかなか飲み切れません。もし1日の水の摂取量が1200ml必要な場合は起床時、朝食時、午前中、昼食時、午後、夕食時、入浴後、就寝前に150mlずつ、という様に、8回程に分けて摂ってみて下さい。起床時、就寝前の水分補給は、就寝中の長時間、水分を摂る事ができない為、とても大事な水分ですので、必ず飲んで下さい

正しい水分摂取で高齢者の食欲不振を改善出来るかも。

実は、この正しい水分摂取により、食欲低下のある高齢者の食事摂取量が増える事があります。知らないうちに脱水症を起こしている場合、食欲不振などの症状が現れる為、水分をしっかり補給してあげる事で、改善されます。また、細めな水分補給により、満腹感が出ると思われがちですが、体内の循環が良くなる為か、関連性は定かではありませんが、実際に、食事摂取量の減少やばらつきが安定してくる方もいます。全ての方に当てはまる訳ではありませんが、水分摂取量を見落としていた方は、是非、一度試してみて下さい。