近年メタボ対策やダイエット志向が高まり、カロリーゼロをうたう飲料やゼリーなどのラインナップが充実してきました。その中に含まれるのが人工甘味料ですが、摂りすぎてしまうとダイエットが上手くいかなかったり、かえって食欲を増進させてしまったりする可能性が指摘されています。なぜこうしたことが起こるのか、人工甘味料の落とし穴について検証していきましょう。
人工甘味料とは?
砂糖の数百倍もの甘さがあり、ほんの少し添加するだけで強い甘みをもたらす人工甘味料。カロリーが少ないため、ダイエットの救世主として飲料や菓子類だけでなく家庭での料理に使う方もいらっしゃいます。
人工甘味料の種類は以下のようなものがあります。
- アスパルテーム
- スクラロース
- アセスルファムK
- サッカリン
- ネオテーム
ちなみにステビアはキク科ステビアの葉から抽出される天然甘味料、エリスリトールは自然界にも存在する糖アルコールです。これらも低カロリーで甘みを添加することができるので、ダイエット商品に広く使われています。
依存性と食欲増進に注意
人工甘味料をはじめ、低カロリーの甘味料で注意したいのは依存性です。低カロリー甘味料だけでなく砂糖にもいえることですが、「甘いもの」を繰り返し摂り続けることによって依存性、中毒性が強化されていくおそれがあります。
甘いものを摂ると、ドーパミンの分泌が増加します。ドーパミンは快楽や多幸感、意欲を司るもので生きる上で必要なものです。疲れているときに甘いものを食べて、やる気を出すという方も多いのではないでしょうか。
しかし、日常的に摂り続けると頻繁的に甘いものを欲する、甘いものを食べずにはいられない状態になってしまい、低カロリー甘味料でダイエットするつもりがかえって食欲を増進してしまう結果に陥るというのです。
決して誤解のないようにしたいのが、中毒性は低カロリー甘味料だけではなく砂糖など天然の甘味料でも報告されているということです。また人工甘味料に毒性はなく、人工甘味料だけが悪者ではありません。
サッカリンは以前に発がん性が指摘されて使用禁止になりましたが、その後の研究によって発がん性は認められないことがわかり、現在では使用可能になっています。
一部の甘味料ではラット実験での腸内善玉菌現象や耐糖能への影響を示唆する報告もありますが、人体への影響についてはっきりとしたことはまだ研究段階といえます。
まとめ
人工甘味料は低カロリーのため太りにくく、砂糖と比べると多量に摂取する傾向にあります。表示ラベルをチェックしても、砂糖を使ったものは高カロリーなので抑止力がありますが、人工甘味料はたっぷり摂取しても大丈夫という安心感があります。
そのため、「毎日低カロリー食品を口にせずにはいられない」という方は注意した方が良いかもしれません。低カロリーといえどたくさん水分を摂取することで空腹感が刺激され、かえって食べすぎを招くこともあります。
「なるべく低カロリーの食品を選んでいるのに、なかなか体重が落ちない…」と悩んでいる方は、1日の摂取量を見直してみましょう。