なかなか治らない咳に悩んでいませんか?もしかしたらそれは「逆流性食道炎」の症状かもしれません。ここでは治療の流れと食生活改善の方法について解説するので、心当たりのある方はチェックしてみてくださいね。
自分の症状をチェック
逆流性食道炎では以下のような症状があります。
- しつこい咳が続く
- ぜんそくや気管支炎のような症状
- のどの痛みや食べ物がつかえるような違和感
- 胸やけや胸痛
- 胃もたれや腹部の膨満感
- げっぷが頻繁に出る
- 酸っぱい味や苦い味が上がってくることがある
- 声かかすれる
- 耳の痛み
咳が多くなるので呼吸器の疾患と間違われやすいのですが、食事前後で症状が出やすかったり、胃腸の不快感を感じたりする場合は食道に原因があるのかもしれません。忙しいからと放っておくと、食道がんなどの重篤な病気に発展してしまうおそれがあります。
治療の方法は?
逆流性食道炎は内服薬で治療します。大きく分けて4種類の薬があり、症状に合わせて薬を選ぶことになります。
- 食道の粘膜を保護する薬
- 食道の運動を促す薬
- 胃酸の分泌を抑える薬
- 胃酸を中和させる薬
治療の段階によって症状は変わってくるので、定期的に医師へ相談して薬を見直しましょう。
自覚症状がなくなっても服用はしばらく続けるのが基本です。逆流性食道炎の再発率は90%近いというデータもあるので、中止にあたっては必ず医師の判断を仰ぐようにしましょう。
食生活で気をつけることは?
さらに症状を悪化させないために、食道の刺激になるものや胃酸分泌を促進するものは控えます。たとえば、
- アルコール
- コーヒー
- 辛いもの
- 酸味の強いもの
- 油脂の多いもの
油脂が多いと胃酸過多を招きます。フライや天ぷらなどの揚げ物、脂身の多い肉料理やこってりしたピザ、パスタ、ラーメンといった料理を頻繁に食べるのは避けましょう。
逆流性食道炎の患者さんは近年増加傾向にあり、原因として食の欧米化が一因となっているという説もあります。油脂を使わないメニューとしては和食がおすすめです。
また、暴飲暴食や食事時間の不規則、寝る前の食事も症状を悪化させるので、食事量は腹八分まで、寝る2時間前の食事は控えるようにしましょう。
寝るときは右側を下にすると胃酸の逆流を防ぎやすくなります。普段の衣類はウエスト部分で締め付けないようにすると症状緩和に効果的です。
喫煙は食道粘膜への刺激になるので、もし逆流性食道炎と診断された場合はこの機会に禁煙を検討してみましょう。
まとめ
逆流性食道炎は咳の症状がみられることが多く、しばしば呼吸器の病気と思われがちです。加齢にともなって咳が続くようになったり、のどのイガイガ感がある場合は一度消化器内科を受診してみましょう。