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骨の健康が気になる方のためのトクホ、使い方や注意点を解説

骨粗しょう症に代表されるように、骨がもろくなってしまうと骨折などにより寝たきりにつながる危険性があります。カルシウムは摂取しても100%身体に吸収されるわけではなく、牛乳で40%、魚介類で30%、野菜で20%前後といわれます。せっかく摂ったカルシウムをムダにしないためには、トクホを利用するという手段もあります。ここでは骨の健康が気になる方のためのトクホに含まれる成分の特徴や注意点について解説していきます。

骨がもろくなる理由

骨は身体を支える働きのほかに、カルシウム貯蔵庫の役割を果たします。

カルシウムは筋肉や血液中に一定濃度存在し、筋収縮や神経伝達を行うために働きます。血液中のカルシウムが不足すると、骨から溶けだして補給を行います。

そのため食事からのカルシウム摂取が少なかったり、加齢に伴ってカルシウム吸収が悪くなったりすると体内のカルシウムが不足し、それを補うために骨からどんどんカルシウムが溶け出してしまうのです。

特に閉経後の女性ではエストロゲンが不足します。エストロゲンは骨を壊す細胞の働きを抑える働きがあるため、不足すると骨の破壊がすすんでしまいます。

トクホに含まれる成分の効用

骨の健康が気になる方のトクホには、以下のいずれかの成分が含まれています。

特定保健用食品(トクホ)の説明はこちら

  • 大豆イソフラボン
  • フラクトオリゴ糖
  • MBP(乳塩基性たんぱく質)
  • ビタミンK2(メナキノン-7)
  • ポリグルタミン酸

閉経後の女性におすすめの大豆イソフラボン

大豆の胚芽に多く含まれる大豆イソフランボンは、骨からのカルシウム溶出を防いで骨密度低下を予防します。イソフラボンにはグリコシド型とアグリコン型があり、吸収が良いのはアグリコン型です。

女性ホルモン様作用があるので、更年期の諸症状に悩む方におすすめです。骨密度維持には1日に40mg程度のイソフラボン摂取が必要とされており、代謝されてしまうと効力が失われるので毎日補給する必要があります。

便秘症状にも効果のあるフラクトオリゴ糖

フラクトオリゴ糖は食事に含まれるカルシウムやマグネシウムの吸収を促進します。腸内のビフィズス菌を増やす働きがあり、お通じの改善にもおすすめです。

カルシウムを含む牛乳や乳製品、大豆製品、小魚などと一緒に摂ることで効果を発揮します。フラクトオリゴ糖単体では骨密度を高めることはできない点に注意が必要です。

牛乳由来の成分MBP

MBP(Milk Basic Protein)は牛乳や母乳に含まれる微量たんぱく質で、骨からカルシウムが溶け出すのを抑え、かつ骨を形成する細胞の働きを促します。牛乳由来なので、アレルギーがある方は注意が必要です。

納豆生まれのビタミンK2、ポリグルタミン酸

ビタミンK2の一種であるメナキノン-7は、納豆から作り出されるネバネバした成分に含まれます。オステオカルシンというたんぱく質がカルシウムを骨にくっつける働きをしますが、ビタミンK2はこのオステオカルシンの働きを高めます。

ビタミンK2は体内でも合成されますが、ストレスや不規則な生活、抗生物質の内服で腸内環境が乱れている方だとうまく合成できないため、食品として補給できるトクホを利用すると良いでしょう。

ただし血液凝固阻止剤のワーファリンを使用している場合、ビタミンK2が薬の効果を弱めてしまうことがあります。納豆を食べないよう指示されている方は使用を控えましょう。

ポリグルタミン酸もまた納豆菌の働きによって作り出される成分で、グルタミン酸が30~5000個結合したものです。小腸内でカルシウムなどのミネラルを吸収しやすい可溶性に保つ働きがあります。カルシウムと一緒に摂るのが効果的です。

骨の健康を保つために

骨の健康が気になる方のためのトクホはカルシウムの吸収を助ける成分のため、カルシウムと一緒に摂る必要があります。

カルシウムの補給だけでなく、毎日30分程度の軽い運動や日光浴も骨をつくるために必要です。気分転換を兼ねての散歩など、気軽に取り組むと続けやすいでしょう。

納豆や貝類に含まれるマグネシウム、きのこ類や魚介類に含まれるビタミンD、肉や魚、大豆製品に多いたんぱく質はカルシウム吸収を促進するので、これらの食品も積極的に摂るようにしましょう。

まとめ

骨密度が低下しても特に自覚症状はなく、骨折してはじめて骨がもろくなっていることに気がつく場合もあります。40歳以上の女性は定期的に骨密度の検査をするのがおすすめです。骨の貯金は若いうちから少しずつ行うのが効果的なので、時にはトクホの力を借りながら無理なく管理していきましょう。