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鉄分には違いがある?吸収の違いを知ろう

鉄分は貧血改善に必要なミネラルですが、どの食品から摂っても同じというわけではありません。ここでは吸収しやすい鉄分とそうでない鉄分の違い、鉄分吸収をサポートする食品について解説します。鉄分不足による立ちくらみや息切れに悩む方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

貧血にも種類がある

ひとくちに貧血といっても、さまざまな原因があります。貧血の種類は血液検査をはじめとする検査によって振り分けられます。

鉄欠乏性貧血

鉄分の不足や吸収不良による貧血。

悪性貧血

巨赤芽球性貧血とも呼ばれ、赤血球が大きいのが特徴。葉酸やビタミンB12の不足によって生じる。

溶血性貧血

赤血球の破壊サイクルが異常に早くなることで生じる。細菌や毒素、自己免疫反応の異常などが原因。

再生不良性貧血

血液を作る骨髄の機能が低下することによって生じる。

出血性貧血

ケガによる急性出血の他、婦人系の病気などで長期にわたり失血が多い場合にも起こる。

腎性貧血

腎臓機能の低下によるエリスロポエチン(造血因子)の不足による。

貧血の中で最も多いのが鉄欠乏性で、貧血全体の90%以上を鉄欠乏性貧血が占めるといわれています。特に月経のある女性では約10%に鉄欠乏性貧血、約40%に鉄欠乏状態(貧血予備軍)が認められるというデータもあり、日常的な鉄分補給は欠かせないものといえます。

鉄欠乏性貧血を解消するには

ヘム鉄は吸収が良く、肉や魚などのたんぱく質食品に多く含まれます。対して非ヘム鉄は野菜や海藻類、卵、乳製品、大豆などに含まれる鉄分ですが、吸収が悪いというデメリットがあります。ヘム鉄の吸収率が30%程度なのに対し、非ヘム鉄は5~7%にしかなりません。

しかし、肉や魚だけで鉄分を摂ろうとすると脂肪やエネルギーの摂りすぎになってしまうため、ヘム鉄と非ヘム鉄を毎食ごとに組み合わせて摂取するのがおすすめです。

ヘム鉄を多く含む食品

  • 豚レバー50g  6.5mg
  • 鶏レバー50g  4.5mg
  • 牛レバー50g  2.0mg
  • 牛肩ロース100g  0.7mg
  • 鶏もも皮なし100g  2.1mg
  • 豚肩ロース100g  0.6mg
  • まぐろ100g  1.1mg
  • いわし100g  2.1mg
  • あさり50g  1.9mg

非ヘム鉄を多く含む食品

  • 乾燥ひじき(ステンレス釜)10g  0.6mg
  • 乾燥ひじき(鉄釜)10g  5.8mg
  • 小松菜50g  1.4mg
  • ほうれん草50g  1.0mg
  • 納豆50g  1.7mg

非ヘム鉄を含む野菜は鉄分吸収を促進するビタミンCや造血に欠かせない葉酸ビタミンB12も同時に含んでいます。鉄分とビタミンは同時に摂るのが効果的なので、1日のトータルよりも1食ずつのバランスを考慮しましょう。

鉄分の吸収をサポートする食品

鉄分は「酸」と一緒に摂ると吸収が良くなります。通常は胃酸を分泌するので問題ありませんが、もともと胃酸の分泌が少ない方は、胃酸が不足して鉄分不足になってしまうことがあります。

胃酸が少ない方は酢やレモン、梅干しなどの酸っぱい食品や香辛料と一緒に鉄分を摂るのがおすすめです。

ただし手術直後や逆流性食道炎、潰瘍のある方に強い刺激のある食品はNG。この場合は酸味が少なくビタミンCが多いものを摂取しましょう。

ビタミンCは酸っぱいイメージがありますが、実はビタミンC自体には強い酸味はありません。例えばレモンの酸味は、主にクエン酸によるものです。

ピーマンやキャベツ、ブロッコリー、菜の花は酸味が少なくビタミンC豊富なので、消化器に負担をかけたくない方にもおすすめです。

逆に鉄分吸収を妨げるものは、紅茶やコーヒー、緑茶に含まれるタンニンです。食事中のお茶には濃く抽出したものは控える、または麦茶に変えるなど工夫しましょう。食事と食事の間に摂るのは問題ありません。

まとめ

女性は特に月経のため鉄欠乏になりやすく、不足しないように日常の食生活で補う必要があります。食事で改善しない場合は持続的な出血やなんらかの疾患の疑いがあるので、早めに医師または管理栄養士に相談しましょう。