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ヘルペスと帯状疱疹の原因と予防について

体調を崩しやすい季節の変わり目に、注意して頂きたい病気にヘルペスと帯状疱疹(たいじょうほうしん)があります。一般的にはヘルペスも帯状疱疹も同じ病気だと思われていますが、医学的には別の病気だそうです。最近は高齢化社会に伴い帯状疱疹を発症する人が増加傾向にあるようです。知っているようで知らない、ヘルペスと帯状疱疹の違いを書いていきたい思います。

ヘルペスとは

ヘルペスとは

ヘルペスウイルスは、非常に感染力の強い感染症であり、水ぶくれなどの症状がある人からの「接触感染」と接触がない場合でもウイルスがついた「物を介して感染」するという特徴があります。通常はウイルスがついただけでは感染しませんが、皮膚の傷・湿疹・粘膜などに感染します。一度感染すると症状は治っても、体内にある神経節(しんけいせつ)という太い神経の集まっているところに潜り込んで住み着いています。

ヘルペスの原因になるウイルスと主な病名

ヘルペスの原因になるウイルスと主な病名は以下のものになります。

単純ヘルペス1(HSV-1)

主に上半身に発症します。

単純ヘルペスウイルス1型の感染で一番多い発症が、「口唇(こうしん)」ヘルペスになります。

単純ヘルペス1型の主な症状

単純ヘルペス1型の主な症状としては以下のようなものがあります。

  • 口の周りに、ピリピリなどの違和感。
  • 赤く腫れ、水ぶくれができる。
  • 軽いかゆみ、ほてり、痛みなど。
  • 水ぶくれから、かさぶたに変わる。
  • 完治するまで、約2週間を要する。

単純ヘルペス

1型は多くの場合、以前はほとんどの人が子供の頃に家族から感染していましたが、近年は衛生状態の改善や核家族化の影響で、現在は20代~30代では約半数の人が抗体を持っていないとされています。年齢が高くなるにつれて抗体を持っている人は増えますが、以前に比べ、抗体を持っている人は減っているということです。子供のうちに単純ヘルペスに初めて感染すると症状が軽く、感染したことに気づかない場合もあるのに対して、大人になってから、初めて感染すると症状が重症化することがあります。抗体とは、自分とは違った異物(ウイルスや細菌)が体内に入り込んだ時に、その異物に反応し体から追い出すためにできる対抗物質です。

単純ヘルペス2(HSV-2)

主に下半身に発症します。

単純ヘルペスウイルス2型の感染によって発症する「性器ヘルペス」について、今回は割愛させて頂きます。性行為感染症として書く機会があれば後日書きたいと思います。単純ヘルペスのやっかいなところは、しばしば再発を繰り返すことです。単純ヘルペス2型にかかったときは1型よりも再発の頻度が高いとされています。また単純ヘルペスは、体のどこにでも感染します。

帯状疱疹とは

「帯状疱疹」は水痘・帯状疱疹ウイルスによって発症する病気です。このウイルスに、生まれて初めて感染すると「水ぼうそう」になります。正式な病名は「水痘(すいとう)」です。「水ぼうそう」は熱が出て、全身に小さな水ぶくれのようなぶつぶつができる病気です。子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスは全滅せずに、体内にある神経節(しんけいせつ)という太い神経の集まっているところに潜り込んで住み着いています。このあたりは単純ヘルペスと共通しているところです。水ぼうそうにかかったことがある人は、帯状疱疹になる可能性があります。水ぼうそうにかかったことがない人は、帯状疱疹としてうつることはありませんが、水ぼうそうとしてうつる可能性があるそうです。

帯状疱疹の主な症状

帯状疱疹の主な症状としては以下のものがあります。

  • 片側の神経に沿って、ピリピリ感と痒みが約1週間続く。
  • 皮膚に赤い斑点が現れた後、小さな水ぶくれができる。
  • 発症して12週間位は発疹が広がり、痛みが強くでる。
  • 水ぶくれの後、かさぶたに変わる。

通常は23週間位でかさぶたが取れて傷痕が残って治まりますが、高齢者になると水ぶくれが深い傷になり、治るまでに長くかかるということです。皮膚症状が治っても、痛みが後遺症として残ることがあります。その痛みは帯状疱疹神経痛とよばれ、若い方より高齢者の方が、帯状疱疹後神経痛を発症する可能性は高くなるようです。帯状疱疹は一生に一度しかかからない方が多いそうです。

ヘルペス・帯状疱疹の主な原因

ヘルペスや帯状疱疹を発症する主な原因

ヘルペス・帯状疱疹のウイルスはともに、普段は神経節の中に潜んだ状態になっています。(潜伏感染といいます)ウイルスは潜伏している状態にもかかわらず、なぜ発症するのでしょうか・・・

ヘルペス・帯状疱疹の主な原因としては以下のものになります。

  • 加齢
  • 疲労
  • ストレス
  • 紫外線
  • 発熱
  • 月経

以上の項目で共通しているのは免疫力の低下につながることがらです。体の免疫機能が低下したときに、神経節に潜んでいたウイルスが再活性化して、神経を伝わって皮膚に到着し、ヘルペスや帯状疱疹を発症します。

ヘルペス・帯状疱疹の予防と対策

ヘルペス・帯状疱疹の、日常における予防でもっとも大切なことは、免疫力を低下させないことです。

日常での注意点について

以下のようなことを日常では注意しましょう。

  • 栄養バランスの良い食事を摂る。
  • 睡眠時間を十分に確保する。
  • 疲労を溜めない。
  • ストレスを溜めないよう、上手にコントロールする。
  • 激しい運動は避けて、適度な運動を心掛ける。
  • 身体を冷やさないように、工夫をする。
  • 風邪やインフルエンザの流行中は、予防をする。
  • 伝統的な発酵食品を、必ず1日に1回は摂る。

終わりに・・・

大まかに分けると、ヘルペスと帯状疱疹の違いは「ウイルス」「発症する部位」で、共通するものとして「神経節にウイルスが潜伏している」「免疫力が低下するとウイルスが再活性化する」ということがわかりました。どんな病気にたいしても予防するうえで、免疫力を高めることは重要なことだと思います。「疲れたら寝る」これが一番シンプルで確実な方法かもしれません。もし「何かいつもの湿疹やかぶれ」と違うなと感じたら、なるべく早く医療機関で受診して下さい。放置していると重症化する危険性があります。