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降圧剤を飲んでいても減塩が必要な理由

サイレントキラーとも呼ばれる高血圧。自覚症状のないままに身体中の血管を傷つけ、動脈硬化からさまざまな生活習慣病を引き起こします。高血圧治療のひとつとして「減塩」がありますが、薬を飲んで血圧が安定していれば食塩に気をつけなくてもよいと考える方は多いでしょう。しかし、薬とともに食習慣を変えて得られるメリットは非常に多いのです。減塩がもたらす効果と目安、実際に行うときのポイントについて解説していきましょう。

服薬はあくまで治療のサポート

高血圧治療において、一番重要なのは減塩を含む生活習慣の改善です。調味料や加工食品の量を減らし、運動して肥満を解消することが最も重要な治療となります。

生活習慣の改善に取り組んでもすぐに効果が得られるわけではないので、腎疾患や心疾患の予防のために降圧剤をサポートとして使うことが非常に多いのです。降圧剤は基本的にずっと飲み続けなければならないものではありますが、きちんと減塩や運動に取り組むことによって薬の量を減らすことも可能です。

減塩がもたらすメリット

減塩に取り組むことで食事の見直しにつながり、肥満の改善が期待できます。塩分の多い食品は外食やインスタント食品、スナック菓子などに多く見られ、これらは同時にカロリーの高いものでもあります。減塩と同時に自然とエネルギーをコントロールすることができるので、肥満を原因とする糖尿病や心疾患のリスクを減らすことになります。

減塩するには生鮮食品をたっぷり使って調理するのが望ましいのですが、これによりビタミンやミネラルをしっかり補給できるようになります。疲労や免疫力低下といった日々の健康問題で悩む方にとって、嬉しい結果へとつながりやすいのです。

また、高血圧は遺伝との関係が深いので、家族で減塩に取り組む効果は非常に高いといえます。

人の手が加わったものは塩分が多い

減塩を行う際には1日6g未満が目安といわれますが、具体的にどんな食事を摂ればいいのか想像しにくい方がほとんどだと思います。

単純にうす味であればいいというわけでもなく、いくら調味料を控えていても量が多ければその分塩分の摂取量は増えてしまいます。食べすぎに注意することで高血圧の原因となる肥満の解消にもつながるので、間食や晩酌のおつまみも含め1日の食事量には注意しましょう。

塩分が多い食品としてウインナーやハム、練り物、漬物、スナック菓子などの加工食品、外食や出前の料理が挙げられます。購入の時点で人の手が加わっているものは塩分が高い傾向にあります。

外食に舌が慣れてしまうと塩分を摂りすぎていても自分で分からなくなってしまうので、日頃は生鮮食品を基本に調味料控えめで自炊したものがすすめられます。加齢にともなって味覚のセンサーが衰えるので、舌だけで判断しないようにしましょう。

麺類のスープを含め汁物や煮物は多く調味料を必要とするものなので、汁はなるべく飲まない、飲んでもひと口~ふた口程度に抑えるようにしましょう。

ちなみに夏場は熱中症対策として塩の摂取がすすめられますが、高血圧や予備軍の方は注意が必要です。食事から多すぎるほど塩分を摂取しているのに、さらにスポーツドリンクや塩飴で補給している方がいらっしゃいます。よほど多く汗をかいたとき以外は、補給の必要がないケースがほとんどです。

まとめ

服薬していても減塩のもたらすメリットは大きく、むしろ薬でコントロールするほど血圧が高い方は食生活をはじめとする生活習慣の改善が欠かせません。高血圧は自覚症状がないのでモチベーションを保つのが難しいのですが、食事を変えて身体の調子が良くなったと実感される方が多いのも事実です。焦らず少しずつ取り組んでみていただきたいと思います。