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花粉症にアルコールは危険?

「花粉症でアルコールを飲むと悪化する」というのはよく耳にする話です。とはいえ、お花見や歓迎会と飲み会の多いシーズンにはなんとも辛いものですよね。今回はなぜアルコールで花粉症が悪化するのか、有効な対策はあるのかについて解説していきます。

花粉症がアルコールで悪化する理由

アルコールが花粉症に及ぼす悪影響にはいくつかの理由があります。それぞれチェックしていきましょう。

①ヒスタミンが増大する

飲んだアルコールは、身体の中でアセトアルデヒドに変換されます。アセトアルデヒドは身体中に存在する肥満細胞からヒスタミンを放出させます。このヒスタミンがアレルギー反応を強く引き起こしてしまいます。

アセトアルデヒドでのヒスタミン放出は、日本人を含む東洋人に多いといわれています。花粉症だけでなくぜんそくやアトピーといったアレルギー体質の方、特に症状が重い場合ではアルコールを避けるのが無難です。

ヒスタミンを増大させるのはアルコールだけではありません。お肉や赤身魚、大豆製品などの高たんぱくな食事をたっぷり摂り続けていると、体内のヒスタミン量が多くなる傾向にあります。

②粘膜が乾燥する

ビールを飲むとトイレが近くなるように、アルコールには利尿作用があります。利尿作用によって身体の水分が不足すると、鼻や目の粘膜を充分に潤すことができなくなります。

粘膜のガード機能を失うと、通常に比べてアレルギー反応がひどくなってしまいます。また酔っていてうっかり目をこすってしまい、症状がひどくなることもあります。

③血管が拡張する

アルコールを飲むと血管が拡張し、鼻の粘膜が腫れて鼻炎をひどくすることがあります。

アルコールによる血管拡張作用は飲んだ量や日頃の飲酒習慣などにも左右され、逆に血管を収縮する方向へ働くこともあるのですが、いずれにせよアルコールによるヒスタミン増大や利尿作用を考えると飲酒はおすすめできません。

有効な対策はある?

花粉症シーズンでも仕事の都合で毎年飲み会が外せないという方には、減感作療法という手段もあります。減感作療法はアレルゲンを微量ずつ体内に取り込むことでアレルギー反応そのものを起こさなくするのが目的です。

減感作療法は皮下注射、または舌下に錠剤を置いて数分待つ舌下免疫療法の2パターンがありますが、主としてスギ花粉症の治療となります。ヒノキ花粉症を併発している方でも治療は可能ですが、現時点ではヒノキに対しては効果が弱いというデメリットがあるようです。

ただし減感作療法は年間2~3万円程度の費用がかかる上に、数年の継続治療が必要になります。その上効果には個人差があり、治療がよく効けば数年後にはお花見が快適になる可能性はありますが、人によっては思ったほど効果がない場合もあります。治療を検討する際は、デメリットについて医師によく相談してみましょう。

どうしても近日中の飲み会を避けられない場合は、乾杯の1杯だけに留めておくのがベターです。また、ヒスタミンを抑制する働きのある茶カテキンや玉ねぎに含まれるケルセチンといったポリフェノール類、納豆をはじめとする発酵食品、腸内環境を整える食物繊維を飲み会前に摂っておくと、多少は症状をやわらげてくれるでしょう。

まとめ

アルコールはヒスタミン増大や利尿作用など様々な体内作用によって、花粉症を悪化させてしまいます。日本人の4人に1人が花粉症ともいわれているので、お花見は屋内での開催にするなど参加者にとって負担のない範囲で行いましょう。