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糖尿病だと火傷しやすい?注意すべき家電と工夫のポイント

糖尿病の神経障害によって、「足先が冷えて眠れない」とお困りの方は多いのではないでしょうか。冷えを改善するために、電気カーペットや湯たんぽといった暖房器具を使用することはよくありますが、使い方を誤ると深刻な火傷につながる場合があります。ここでは、暖房器具の使い方や冷えの解消テクニックについてご紹介していきます。

火傷していても気づかない?

糖尿病の方は、高血糖による末梢毛細血管の傷害や自律神経の障害によって、手足の冷えを強く感じやすいという特徴があります。冷えは糖尿病の初期症状でもあり、特に冬場では不眠や不調につながるケースも少なくありません。

そこで電気毛布や電気カーペット、こたつなどの暖房器具が活躍するのですが、糖尿病の方は知覚が鈍くなっていることがあります。そのため火傷していることに気づきにくく、悪化につながりやすいのです。

手足だけではなくおしりや太もも、腰のあたりでも、熱すぎるという感覚がないままに低温火傷を起こすことがあります。糖尿病の方が火傷をすると一般的には治りが遅く、創傷部から感染を起こす原因にもなるので、もし火傷した場合は早めに皮膚科や形成外科の受診がすすめられます。

見た目は赤く腫れている程度でも深部まで損傷している場合があり、医師の診断が必要になります。

注意したい暖房器具と取り扱いの工夫

注意したい暖房器具には、以下のようなものがあります。

  • 電気毛布
  • 電気カーペット
  • 電気アンカ
  • トイレの便座
  • こたつ
  • カイロ
  • 温風ヒーター
  • 湯たんぽ

いずれも温度設定を「高」にして使用したり、皮膚または薄手の下着の上から直接温めたりすることによって火傷しやすくなります。

表面温度が42~44℃強とそれほど高くなくても、3~6時間程度の接触で火傷する可能性があります。50℃程度ならわずか3分で皮膚細胞が破壊されるといわれています。

特に注意したいのが、就寝前に暖房器具を使ってそのまま寝てしまうケースです。事前にタイマーを設定しておくなど、つけっぱなしにしない工夫をしましょう。

取り扱いの工夫

暖房器具を使うときは、以下に注意しましょう。

  • 温度設定は「高」にしない
  • エアコンなど部屋全体を温める暖房器具を活用する
  • 湯たんぽや電気毛布は寝具を温めるために使い、布団に入るときは取り出すか電源を切る
  • 長時間使用を避け、タイマーを活用する
  • 暖房器具が直接皮膚に触れないようにする
  • カイロは薄手の下着に貼るのは避け、上からサポーターなどで圧迫しない
  • 感覚だけで判断しない(温度を家族や身の回りの人に確認してもらう)

エアコンだけでは暖まりにくい場合、サーキュレーターや扇風機で空気を循環させるのも良いでしょう。

冷えを解消するには

筋力低下や運動不足を解消すると、冷えの改善効果が期待できます。

運動は血糖コントロールのためにも必要なものなので、無理のない範囲でウォーキングやストレッチといった有酸素運動で血流を促しましょう。ウォーキングでは靴擦れを防ぐため、足にフィットして(つま先に0.5~1.0cm程度の余裕があるもの)かかとが浮かず、圧迫の少ない靴を選びましょう。

体温を循環させるためには、水分補給も大切です。腎臓や心臓疾患などによる水分制限がなければ、常温またはあたたかい飲み物をこまめに飲むようにしましょう。

運動だけでは筋力はつかないので、赤身の肉や魚、大豆製品、卵などからたんぱく質を摂るようにしましょう。朝食は特にたんぱく質が不足しがちなので、ゆで卵や納豆など手軽に用意できるおかずを取り入れるのがおすすめです。

まとめ

冬場の冷えはつらいものです。そんな中で暖房器具はとても便利なものですが、使い方によっては重度の火傷の原因になります。低温火傷は自分の感覚だけでは気づきにくいので、安全に使うよう配慮しましょう。運動やストレッチは冷えの改善のほか、血糖コントロールやフレイル予防にもつながるので、楽しめる範囲で取り入れてみましょう。