日本人の2人に1人がかかるといわれている「がん」。食生活とがんには密接な関係があり、ちょっとした工夫をくわえることで予防に役立つとも言われています。具体的な方法についてご紹介していきましょう。
デザイナーフーズピラミッドの食品をまんべんなく
アメリカ国立がん研究センターは、がん予防に役立つ食品を集めたデザイナーフーズピラミッドを作成しています。頂点部分の食品だけを重点的に摂るのではなく、すべての階層をできるだけ多種類、かつまんべんなく摂るのが良いとされています。
一部耳慣れない食品も入っていますが、にんにくやキャベツ、大豆、生姜、ニンジン、玉ねぎ、ブロッコリー、あさつき、じゃがいもなど日本人にとっても身近な食品が多い印象ですね。ちなみにパースニップは白っぽいニンジンのような根菜です。
ピラミッド上段
ニンニク、キャベツ、甘草、大豆、生姜、ニンジン、セロリ、パースニップ
ピラミッド中段
玉ねぎ、茶、ターメリック、玄米、全粒小麦、亜麻、かんきつ類、トマト、ナス、ピーマン、ブロッコリー、芽キャベツ、カリフラワー
ピラミッド下段
メロン、バジル、タラゴン、えん麦、ハッカ、オレガノ、きゅうり、タイム、アサツキ、ローズマリー、セージ、じゃがいも、大麦、ベリー
どうしてがんを予防できるのか?
これらの食品には何故がんを予防する力があるのでしょうか。その根拠となっているのがフィトケミカルです。フィトケミカルはポリフェノールやカロテノイドといった抗酸化作用をもつ成分の総称で、身体の中の有害な活性酸素を除去してくれる働きがあります。
ピラミッドに記載してある食品以外にも、もちろんフィトケミカル豊富な食材はたくさんあります。カラフルで色の濃い野菜や果物はフィトケミカルが多い傾向にあるので、積極的に摂ると良いでしょう。特にモロヘイヤは強い抗酸化力を持つ野菜なので、苦手でなければ食卓に取り入れるといいですね。
豆類、根菜類、海藻類もおすすめ。食物繊維が多く、腸内の有害な物質を排出してくれる効果があります。
いずれの食品にも言えますが、野菜でも魚でも新鮮なものを選び、新鮮なうちに調理して食べるのがフィトケミカルの効果を最大限に引き出すポイントです。買い置きが必要な場合は、冷凍野菜の購入を考えてみても良いでしょう。何日も置いておいた生の野菜よりも、新鮮なうちに冷凍処理した食品の方が栄養的に優れているといえます。
味付けはできるだけうす味で、塩分を控えましょう。適度な減塩もがん予防に役立ちます。
控えたい食品は?
活性酸素を増やしてしまう原因になるのが「焦げた食品」「アルコール」「古い油脂類を含む食品」です。揚げ物や焼き物ばかりに偏らず、煮物や茹でたものをメニューに取り入れる、アルコールは量を決めて飲む(1日1~2杯程度に抑える)、スナック菓子やファストフードの食品を摂る頻度を減らすといった工夫が必要です。
肉類を多く摂取すると、大腸がんや乳がんのリスクを高めると言われています。特にベーコンやハムなどの加工肉は控えめにしましょう。肉類は脂肪の少ない鶏肉がおすすめです。
食品ではありませんが、タバコは副流煙も含めて避けたいものになります。タバコの煙で多量の活性酸素が発生するので、がんの予防には禁煙が絶対的に必要な条件です。活性酸素はがん発生だけでなく全身の老化や不調を招くものなので、心あたりのあるものは出来るだけ早めに対処していきましょう。
まとめ
雑穀や根菜、豆類、新鮮な野菜や果物に含まれるフィトケミカル。活性酸素を除去し、がんの予防だけでなく老化を抑制してくれる働きがあります。毎日をいきいき暮らしやすくするために、取り入れやすいものからぜひチャレンジしてみましょう。