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アトピー性皮膚炎の原因と対策について

近年は子供から大人までアトピー性皮膚炎が増えているようです。アトピー性皮膚炎の総患者数「厚生労働省 患者調査参照」は1987年の時点で(約22万4,000人)で2017年では(約51万3,000人)にも上り、30年間で約2.3倍に増加しています。同じ年の意識調査では、79.3%の患者さんが「精神面に影響がある」と回答しました。アトピー性皮膚炎によって、痒みによる睡眠や勉強・仕事など日常生活への支障や、「見た目が気になる」といった不安感・精神面への影響など、大きな負荷が患者さんにのしかかっているという現状が明らかになっています

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎は乳幼児期に発症することが多く、慢性的に痒みのある湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返し、成長するにつれて治ってしまうこともあるようです。ただし子供時代にアトピー性皮膚炎を患っていた人が、成人になって再発するケースも増えているということです。中には成人になってから始まる方もいるようです。発症する人の多くは「アトピー素因」という遺伝的体質を持っています。アトピー素因とは、アレルギーを起こす物質(アレルゲン)に対して反応しやすい体質です。また、健常な皮膚にはバリア機能(保湿機能)が備わっています。これにより、外からの刺激から肌を守っています。しかしアトピー性皮膚炎の患者さんはこのバリア機能が低下し、アレルゲンが侵入しやすくなっている状態(ドライスキン)になっており、炎症が起きやすくなっています。アトピー性皮膚炎は一般的に慢性の状態で経過しますが、適切な治療によって症状をコントロールし、状態を安定させることで症状が治まり、治っていく可能性がある病気です。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の原因には、「体質的な要因」と「環境的な要因」があります。また、特に乳幼児では、牛乳、卵、大豆、そば、小麦粉などの食物がアレルゲンとして作用する場合が多いそうです。

体質的要因

体質的要因としては以下のようなものになります。

  • アトピー素因
  • 皮膚のバリア機能低下

環境的要因

環境的要因としては以下のようなものがあります。

  • 食物
  • ダニ
  • ハウスダスト
  • カビ
  • 花粉
  • ペットの毛やフケ
  • 汗をかく事
  • 衣類による摩擦
  • 空気の乾燥
  • 引っ掻いて傷をつけたりする事
  • 洗剤など日用品
  • 化粧品
  • 寝不足
  • 過労
  • ストレス

アトピー性皮膚炎の原因は上記のように、遺伝的要因と環境的要因が主な原因ですが、最近では受験や進学、就職、転勤、失恋といった心理的なストレスでアトピー性皮膚炎になるケースが増えているそうです。

アトピー性皮膚炎の症状

アトピー性皮膚炎の主な症状

アトピー性皮膚炎の主な症状として以下のようなものがあります。

  • 痒みがある
  • 特徴的な湿疹と分布
  • 症状を繰り返す

アトピー性皮膚炎の主な症状は患った人にしか分からない猛烈な痒さで、「痒み地獄」だそうです。もう一つの特徴的な症状としては、皮疹(ひしん)で湿疹を伴い左右対称に皮疹が現れます。皮疹とは皮膚の表面に生じた発疹(ほっしん)の総称です。またアトピー性皮膚炎は年齢とともに症状が変化するようです。乳幼児期の症状は顔や頭、耳などに赤いジクジクとした湿疹が出て、耳のつけ根が切れることもあります。幼児・学童期では、皮膚全体がカサカサして、湿疹はひじや膝の内側、首、背中、胸、お腹にも広がります。思春期・成人期では、重症化、慢性化する傾向があり、湿疹が全身に現れ、皮膚が分厚く苔のようになったり、赤褐色に変色したり、逆に色素が抜け落ちることもあるそうです。

アトピー性皮膚炎の悪化予防と対策

アレルギーの原因物質(アレルゲン)が分かっている場合は、それをできるだけ避けることが大切です。

アトピー性皮膚炎の悪化予防

悪化を予防するポイントは以下の通りです。

衣服

皮膚への影響を少なくするために、柔らかく通気や吸湿性の良い繊維を選ぶようにしましょう。

寝具

柔らかい素材のシーツやカバーを使い、日光に当てて干し、室外から取り込む際は、掃除機などでホコリを取りましょう。

入浴

石鹸はよく泡を立て、軽くなでるように洗い、ナイロンタオルなど皮膚に刺激が強いものは避けましょう。

部屋

こまめに掃除や換気をし、花粉、ハウスダストなどアレルゲンになるものを、部屋に溜めないようにしましょう。

食事

アレルギーの原因が食べ物の場合、それを食べるのは控えましょう。

精神

適度に気分転換をし、ストレスをためないようにしましょう。

子供の場合、過度の食事制限は成長を阻害することがあるので、医師の指導を受けるようにしましょう。アトピー性皮膚炎の人は、皮膚が乾燥しやすくバリア機能が低下しています。毎日のスキンケアをしっかりして悪化することがないように予防することが大切です。身体の洗浄後は保湿剤でしっかりうるおいを補給する事が大切です。保湿剤は入浴後だけでなく、外出の前後など、皮膚の乾燥が気になるときに、1日数回は塗りましょう。

終わりに・・・

アトピー性皮膚炎は「どう付き合っていくか」の意識が重要です。また生活習慣の改善も大切な要素になります。栄養のバランスの良い食事をする。早寝早起きの規則正しい生活を心掛ける、ストレス発散方法を見つけるなど、心身の健康を心掛け、自律神経や免疫機能のバランスを整えるようにしましょう。