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認知症の原因と対策について

認知症とは、何らかの原因で脳の変性疾患や神経細胞・脳血管の障害によって、認知機能(主に記憶力や判断力)が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態をいいます。認知症とは病名ではなく、脳の機能低下によって起こる特定の状態(認知機能の低下)を指す言葉です。認知症のなかで、三大認知症と呼ばれるアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症の解説をします。

アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症

認知症の中でも割合が約50%でもっとも患者数が多い認知症です。また若年性認知症となる疾患もアルツハイマー型認知症が多くなっています。アルツハイマー型認知症が引き起こされる病因は、まだはっきりと解明されていませんが、アルツハイマー型認知症の患者さんの脳では、記憶をつかさどる海馬(かいば)にある神経細胞から死滅していきます。要因としての主流な考えは「アミロイドβタンパク質」が脳に蓄積することで、異常にリン酸化された「タウ・タンパク質」が神経細胞内に蓄積して「神経原線維変化」という形成をおこし、神経細胞が徐々に死滅し、脳が萎縮すると考えられています。アルツハイマー型認知症は症状が徐々に進行していくのが特徴です。そのため本人や家族も受診のきっかけがつかめないまま放置しているケースが少なくありません。本人や家族が「何かおかしいな」と感じた時点で、専門医のいる病院を受診することが大事です。現在の治療では治癒することはできませんが早期に発見できれば、進行を抑制する治療薬によって進行を遅らせる効果も高くなります。また「アミロイドβタンパク質」、「タウ・タンパク質」ともに神経細胞内に異常を起こす要因になるタンパク質ですが、治療・予防法のための研究が現在進められています。

アルツハイマー型認知症の主な症状

アルツハイマー型認知症の主な症状としては以下のようなものになります。

記憶障害

最初に物忘れが起こるのが特徴です。先ほど聞いたこと、言ったことさえ思い出せなくなります。進行すると自分が体験した出来事や過去の記憶が抜け落ちます。

見当識障害

先ずは、時間や季節感の感覚が薄れます。進行すると、自分がいる場所や日付、曜日が認識できなくなり、迷子になったり、遠くに歩いて行こうとします。かなり進行すると、どこの誰なのかという人物などの認識が出来なくなります。

実行機能障害

計画を立てたり、物事を要領よく処理できなくなります。

行動・心理症状

1人で歩き回る、不安、幻覚、怒りっぽくなる、意欲がなくなるなどです。

アルツハイマー型認知症は症状が徐々に進行していくのが特徴です。そのため本人や家族も受診のきっかけがつかめないまま放置しているケースが少なくありません。本人や家族が「何かおかしいな」と感じた時点で、専門医のいる病院を受診することが大事です。また近年は認知機能や画像診断などの検査技術が進歩し、軽度認知障害の段階で診断が出来るようになっています。現在の治療では治癒することはできませんが早期に発見できれば、進行を抑制する治療薬によって進行を遅らせる効果も高くなります。

レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症

アルツハイマー型認知症についで多い病気です。高齢者の認知症の約20%を占めています。レビー小体型認知症を引き起こす病因としては、αシヌクレインタンパク質」が神経細胞の中に蓄積してできたかたまりを「レビー小体」といいます。大脳皮質の神経細胞内にレビー小体が付着し、特定のグループの神経細胞を傷つけ、壊していくことで大脳の萎縮を引き起こします。レビー小体型認知症では脳のドパミン神経が壊れます。ドパミン神経は脳が全身の筋肉に運動の指令をだすのに必要な神経伝達物質ドパミンを作る神経です。そのため運動機能の障害が起こります。「αシヌクレインタンパク質」はパーキンソン病の原因物質として知られています。レビー小体型認知症は他の認知症に比べて進行が早いのが特徴です。レビー小体型認知症を完治させる治療法はありませんが、病症の改善にはアルツハイマー型認知症でもつかわれる「抗認知症薬」が有効とされているので、やはり早めに受診して適切な治療を受けることが大切です。

レビー小体型認知症の主な症状

アルツハイマー型認知症の一種で、「記憶障害」、「見当識障害」の症状もありますが、それはあまり強く出ません。レビー小体型認知症には特徴的な症状が現れます。

レビー小体型認知症の主な症状としては以下のようなものになります。

幻視

実際にはいないはずの人や物の姿が見える事で「知らない子供が枕元にいる」「虫が壁をはい回っている」と言ったりします。

認知機能の変動

日にちや時間帯によって、頭がはっきりしている時とボーッとしている時が入れ替わります。

パーキンソン症状

手足の震え、筋肉のこわばり、歩行障害、便秘や失禁などパーキンソン病と同様の症状を併発する人もいます。

レム睡眠行動異常症

睡眠中に大声で叫んだり、暴れたりします。また起床した直後に寝ぼけて夢の続きの話をすることもあります。

抑うつ症状

気分が落ち込む。悲観的になる。意欲が低下します。

幻視は、レビー小体型認知症の最も特徴的な症状で、夜間に多く出るようです。

脳血管性認知症とは

脳血管性認知症

脳卒中(脳梗塞・脳出血)をきっかけに発症する認知症です。脳血管性認知症は認知症全体の約19%を占めています。脳の神経細胞がダメージを受けると、手足のマヒや言語障害のほか認知機能や記憶機能にも障害が及ぶことがあります。それが脳血管性認知症といわれるものです。脳の細胞は一度死んでしまうと戻ることはありません。脳血管性認知症の記憶障害やその他の認知機能障害を改善させる確実な方法は現在ありません。そのため脳血管障害の再発予防と認知症の症状への対処療法が中心となっています。

脳血管性認知症の主な症状

脳血管性認知症の主な症状としては以下のようなものになります。

  • 日常の実行機能で障害が起きる。
  • 心理面では気分が落ち込み、意欲が低下。

脳血管性認知症の場合は、脳卒中を起こすたびに症状が段階的に悪化します。悪化を防ぐために、脳卒中を繰り返さないことが大事です。脳の細胞は一度死んでしまうと戻ることはありません。

認知症の予防と対策

現在、認知症の予防や新治療のさまざまな研究や開発が続けられていますが、決定的な予防方法や治せる治療法はまだ確立されていませんが、アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症は生活習慣から引き起こされる病気との関連があるそうです。認知症を予防する食生活や運動のポイントとして共通するのは「生活習慣病」を予防することが、認知症の発症を予防することに繋がるということです。先ずは、脳のトレーニングになり脳を鍛えるもの(楽器演奏、手芸、料理、家庭菜園など手先を使う事が良いとされています。)自分の好きなことや、興味のあることから始めて下さい。ストレスなく無理がないよう続ける事が大切です。

終わりに・・・

認知症は高齢になり、ある時から突然なるのではなく、若年性認知症になる人もいますから、40代、50代から徐々に始まっているのかもしれません。「おかしいな」と思ったら専門の医療機関で受診しましょう