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基礎代謝を上げる、効果的なたんぱく質の摂り方

「基礎代謝」はダイエットをする上で重要なキーワード。なんとなく意味は分かるけれど、実際に自分の基礎代謝量がどのくらいかご存じない方も多いのではないでしょうか。今回は自分の基礎代謝量を把握し、さらに基礎代謝量をアップする方法について解説していきます。

基礎代謝とは?

厚生労働省によると、基礎代謝量とは「心身ともに安静な状態の時に生命維持のために消費される必要最小限のエネルギー代謝量」のことです。ざっくり言うと「横になって寝ている時に使うエネルギー」とほぼ等しいものになります。
呼吸や血流、内蔵の動きなど、特に何もしていなくても身体はエネルギーを使って活動します。その最小限の生命活動に必要なのが基礎代謝量なのですが、基礎代謝量が多いと食べた分のエネルギーをきっちり消費してくれる太りにくい体質になります。
逆に基礎代謝量が少ないと食べた分のエネルギーが余りがちになり、余ったエネルギーが体脂肪として身体に蓄積されるため太りやすくなります。つまり飽食の時代を生きる現代人にとって、基礎代謝量を増やした方がダイエットに効果的かつ健康的な生活を送ることができると考えられるわけです。

①自分の基礎代謝量を知ろう

基礎代謝量は年齢、性別、体重などによって異なります。
例えば、厚生労働省の「日本人の基礎代謝基準値」を参照すると、18~29歳の男性で24kcal×体重(kg)。つまり体重が60㎏の場合は1日の基礎代謝量が1440kcalということになります。

これは飽くまで基準値で、厳密に言えば同じ年齢、性別、体重の方でも筋肉や脂肪の割合などによって基礎代謝量に違いがあります。しかしひとつの目安にはなりますので、自分の年齢や性別をもとに算出して基礎代謝量を把握しておきましょう。
ちなみに性別・年齢における基礎代謝基準値は以下のとおりになります。

(男性の場合)

  • ・18~29歳:24.0kcal×体重(kg)
  • ・30~49歳:22.3kcal×体重(kg)
  • ・50~69歳:21.5kcal×体重(kg)

(女性の場合)

  • 18~29歳:22.1kcal×体重(kg)
  • 30~49歳:21.7kcal×体重(kg)
  • 50~69歳:20.7kcal×体重(kg)

②基礎代謝を上げるには?

基礎代謝は思春期でピークを迎え、年齢を重ねるにつれて徐々に低下するのが一般的です。この原因は「筋肉の量が減ってしまうため」と考えられています。
そのため基礎代謝量を上げたいなら、筋肉の量を増やすのが有効な手段です。筋肉は日々身体を動かすこと、そして筋肉のもととなるたんぱく質を効果的に摂取することで増やすことができます。

基礎代謝を上げるたんぱく質の効果的な摂り方

それでは、基礎代謝を上げるために必要なたんぱく質はいつ、どれくらいの量を摂取すればよいのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

①量はどのくらい?

たんぱく質の補給源は「肉、魚、卵、大豆製品」が代表的ですが、ここで農林水産省の食事バランスガイドを参考にするとこれらのたんぱく源を料理としてどのくらい食べればよいか手早く知ることができます。
たんぱく質の適量は日々の運動量、性別、年齢に関係します。一般的には運動量の多い人、性別なら男性、年齢なら若い方の方がより多くのたんぱく質を必要とします。食事バランスガイドでは以下のような振り分けで自分に必要な1日のたんぱく源となる料理の数(SV)を確認できます。

(18~69歳の女性)

  • 1日のうち、座っていることがほとんど:3~4 SV
  • 座り仕事が中心だが、軽い運動や散歩をする:3~5 SV
  • 立ち仕事や移動が多い仕事、または活発な運動習慣のある人:3~5 SV

(18~69歳の男性)

  • 1日のうち、座っていることがほとんど:3~5 SV
  • 座り仕事が中心だが、軽い運動や散歩をする:4~6 SV
  • 立ち仕事や移動が多い仕事、または活発な運動習慣のある人:4~6 SV

1日のたんぱく源となる料理の数(SV)が分かったら、肉料理=3 SV、魚料理=2 SV、大豆製品・卵料理=1 SVとして自分に必要なたんぱく源の料理を組み合わせていきます。
例えば通勤で歩く習慣のある事務職の30代男性であれば、4~6 SVが適量です。朝食に1 SVの目玉焼きを1皿、昼食に2 SVの焼き魚を1皿、夕食に3 SVの豚肉生姜焼きを1皿、これで1日合計6 SVのバランスの良い量になります。活動量が少ないけれど3 SVの肉料理を食べたい場合は、標準的な量よりも少なめに盛ることで2 SVとすると良いでしょう。

②不足も摂りすぎも注意!

朝は忙しくてパンとコーヒーのみ、などということもあるかと思います。このようなたんぱく質が不足した状態が続いてしまうと、筋肉がやせ細ってきて基礎代謝量が落ちてしまう、つまり太りやすい体質になってしまいます。
かといって摂りすぎも良くありません。過剰に肉や魚のたんぱく質を摂ると、筋肉のもととして活用できなかった「余った」たんぱく質が余剰エネルギーとなります。その結果体脂肪として身体に蓄積され、太ってしまう原因になります。
プロテインなどでたんぱく質を摂取する方も増えているようですが、身体が筋肉に変換できるたんぱく質量には限りがあるということに注意しましょう。

分散&タイミングが重要!

たんぱく質は身体の中に長時間貯めておくことができません。筋肉の材料として使われなければ余剰エネルギーとして体脂肪となってしまいます。
つまり1日で見ると同じたんぱく質量でも、夕食時にドカッと食べるよりも朝・昼・夕食と分けて摂る方が筋肉の材料として使われやすいと言えます。
また、運動をすると筋肉が分解されますが、このタイミングでたんぱく質を摂ると分解された分よりも多くの筋肉が作られます。
つまり基礎代謝量アップが期待できるので、ジムでのスポーツや通勤・家事など、身体を動かしたあとにたんぱく質を摂ると効果的です。
すなわちたんぱく質を摂取するタイミングは、「朝・昼・晩の3食」「運動後」がおすすめ。しかし忙しい朝は朝食を抜いたり簡単なメニューになりがちなので、たんぱく質が不足している方も多いでしょう。
そんな場合は、朝でも手軽に作れる卵スープや高たんぱく質のヨーグルトを用意しておくなど、忙しくてもたんぱく質を確保できるように一工夫してみましょう。

まとめ

基礎代謝量が増えるとダイエット効果が高まります。適切な筋肉量を維持できるよう、毎食ごとにたんぱく質の摂れるメニューを意識して取り入れてみてはいかがでしょうか。