目次
口臭の種類
病的口臭
治療が必要な病気が原因となっているもの。
生理的口臭
病気を伴わないもの。
食品由来口臭
匂いが強い食品を食べたときに発生するもの。
口臭の原因
病的口臭を引き起こす要因となるものは口腔内のトラブルと内臓疾患に大別されます。
口腔内トラブルによる口臭
舌苔(ぜったい)
鏡で舌を見ると表面に白いものが付着しているのに気がつく時があります。これが「舌苔」といわれる舌の表面に付着している汚れで、舌にたまった食ベカスや口の中から剥がれ落ちた粘膜、細菌、タンパク質を大量に含んでいます。舌苔は強い口臭を起こす原因としてもっとも多いといわれています。
歯周病・虫歯
歯周病の特徴は歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目の溝)が出来る事です。この歯周ポケットに口腔内の細菌が住み着き繁殖します。繁殖の過程で、玉ねぎと卵が腐ったような臭いを発生させます。虫歯で歯に穴が空いた部分に、食べ物が入り腐敗して悪臭を放ちます。
歯磨き
歯磨き不良により、歯垢や歯間に残った食べカスが悪臭を発生します。
鼻の病気
慢性鼻炎、蓄膿症など炎症が鼻にあると、口の中に膿が入り込んで口臭を発生させます。
内臓疾患による口臭
逆流性胃腸炎
酸味のある胃液が食道に逆流することによって口が臭うこともあります。
肝機能低下
毒素が分解されない為にアンモニア臭がします。
糖尿病
糖尿病に伴い甘酸っぱい、果物が腐ったような臭いがします。
消化不良
食べた物が胃腸に停滞し、異常発酵するために腐ったような口臭を発生させます。
呼吸器疾患
主に空気の通り道の炎症により、肉が腐ったような臭いを発生させます。
唾液分泌量の低下
唾液は口の中を洗浄する作用、殺菌作用などがあり口腔内を清潔に保ちます。また粘膜を保護する作用もあります。加齢やストレス、睡眠不足などにより唾液の分泌量が減ってしまうと細菌が増加し、口臭を招きます。
食品由来口臭
ニンニク、ねぎ、酒による口臭は一時的なもので、時間の経過とともに臭いも解消します。
薬物の副作用
抗ヒスタミン薬、降圧剤、睡眠薬、抗うつ薬などの服用により唾液の分泌が抑制されて、口の中の乾燥(口が渇く)が起きやすくなっています。こういう状態も口臭を発生させる要因になります。
口臭の対策
内臓疾患、歯周病・虫歯、鼻の病気による口臭は医療機関で治療を受けながら担当医に相談されることをお勧めします。生理的口臭や口腔内のトラブルはセルフケアで対策をしましょう。
①起床時のうがい
起床時は口の中をマウスウォッシュでゆすぎましょう(寝ている間は唾液の分泌量が減り、口の中の細菌が増殖しているため)
②小まめな歯磨き
歯周病・虫歯予防のために歯磨きは毎食後・就寝前丁寧に専用の歯磨き粉で磨くことが大事です。
③食べかすの除去
食べカス、歯垢がたまりやすい歯間にはデンタルフロスや歯間ブラシを使う。
④舌を清潔に保つ
舌苔を除去するときは歯ブラシではなく専用の舌ブラシを使う。舌の表面はデリケートな組織なので傷をつけないように優しく舌苔を取りましょう。舌苔は週に1回は除去するのが望ましいです。
⑤歯石や歯垢を除去
半年に1回は歯科で歯石や歯垢を除去してもらう(歯のクリーニング)。虫歯や歯周病の予防にもなります。
⑥唾液を増やす
唾液の分泌を増やす工夫をする。
- 食事は規則正しく、しっかり噛んで食べましょう。噛むことで唾液の分泌量が増えます。
- ガムを噛むことで唾液が出やすくなります。
- 耳やあごの下をマッサージする。唾液線を刺激します。
- 寝不足にならないように十分な睡眠をとり、疲労が残らないようにしましょう。
- ストレスを解消する自分なりの工夫をしましょう。
⑦食生活の改善
和食を基本とした食事をする。和食は副食で根菜類や海藻など歯ごたえのある食材を多く使っているため、自然によく噛んで食べるようになります。よく噛むことは唾液の分泌を促しますし、胃腸の負担が少なくなり胃腸を整えることにもつながります。また、朝食はしっかりと摂りましょう。朝食を採らないと水分不足に繋がり、肌や唇の乾燥と合わせて「ドライマウス」を引き起こす要因にもなります。そのほかに食後や水分を補給する際は、なるべく急須で入れた緑茶を飲みましょう。緑茶に含まれている「カテキン」は強い殺菌・抗菌作用・抗酸化作用があり、口腔内の細菌を減らす働きをするため、口臭予防になります。また緑茶に含まれる「クロロフィル」は唾液の分泌を促す働きがあります。
まとめ
口臭のほとんどの原因は口腔内のトラブルです。口腔内のトラブルを解消し、口臭予防に努めましょう。