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コレステロールの敵は卵ではない?

2020.02.05
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INTRODUCTION

年齢を重ねていくごとに気になるコレステロール。LDLコレステロール140mg/dl以上であれば「高LDLコレステロール血症」、120~139mg/dlは「境界域高LDLコレステロール血症」とされ、動脈硬化や心疾患、脳血管疾患のリスクが高まります。しかし、単純にコレステロールの多い食品を控えるだけでは改善しないケースも。ここではコレステロールをコントロールするポイントについて解説していきます。

「1日1個の卵」でも改善しない?

LDLコレステロールを高めてしまうのは「卵の食べすぎ」が原因のひとつとされた時代がありました。しかしコレステロールは身体の中で約7割が合成されると言われ、食事由来のコレステロールが従来ほど重視されなくなりました。

すでに脂質異常症を指摘されている場合、高コレステロールの食事を摂り続けるのはおすすめできません。2020年版の「日本人の食事摂取基準」でも、脂質異常症の重症化を防ぐためにはコレステロール200mg/日未満が望ましいとしています。実際にコレステロールを避けて比較的簡単に改善される方もいます。

しかし、コレステロールを控えても改善しないケースは珍しくありません。脂質異常症の真の敵が卵を代表とする高コレステロール食品でないとするなら、何を改善すればいいのでしょうか?

飽和脂肪酸のコントロールが最も重要

脂質は、含まれる脂肪酸によって「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」に大きく分けられます。高LDLコレステロール血症を悪化させないためには、コレステロール摂取量よりも先に飽和脂肪酸を抑えるのが近道です。飽和脂肪酸は動物性の脂肪、バターやチーズなど脂質の多い乳製品に含まれます。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸を見分けるには、「常温で固まっているかそうでないか」が一つの目安になります。例えばバターは室温ではやわらかくはなりますが、固形です。また、不飽和脂肪酸の多い植物油はさらさらとした液状です。

また、コレステロールを減らすために極端に脂肪の摂取を控える方がいらっしゃいますが、適量の脂肪酸は身体に必要なのでおすすめできません。飽和脂肪酸を控えつつ、不飽和脂肪酸を豊富に含む魚油や適量の植物油を摂るようにしましょう。特に魚油は中性脂肪を下げてくれますが、それが結果的に善玉と呼ばれるHDLコレステロールの増加につながります。

すでにLDLコレステロールが高い方は、コレステロールの多い食品をたくさん食べないようにします。コレステロールは鶏卵やイカ、魚卵、ホルモン類に多く含まれます。ただしイカはコレステロールを下げるタウリンを含むため、あまり気にしなくてもよいでしょう。ウニや明太子といった魚卵、ホルモンを頻繁に食べている場合は注意します。

トランス脂肪酸は動脈硬化を進行させるといわれ、WHOによって注意喚起されています。しかし日本では特に基準がありません。食生活調査をしてトランス脂肪酸の平均摂取量が少ないと明らかになったためですが、個人差が大きい点も指摘されています。トランス脂肪酸は市販の菓子類やスナック菓子、ファーストフードに多く含まれるので、よく利用するという方は控えましょう。

禁煙やダイエット、運動も効果的

コレステロールを下げるには、禁煙も重要な要素です。受動喫煙も含めてタバコの煙を避けることで改善が見込めます。

ただし禁煙によって体重が増えてしまうと、コレステロールのコントロールに悪影響してしまいます。禁煙するのと同じタイミングで週に2回以上は身体を動かすようにする、お酒の席を避ける、野菜を多めに摂るようにするなどのダイエットを開始するのが効果的です。

極端な糖質制限ダイエットや絶食は内蔵に負担をかけるので適しません。頻繁な間食やドカ食いなどの暴飲暴食を避け、こまめな運動習慣をつけるのがおすすめです。運動することで血液の循環が良くなるので、疲労改善効果もあります。

食物繊維の摂取はLDLコレステロール低下に効果的です。野菜は加熱してかさを減らしたっぷりと摂りましょう。海藻や豆類、玄米や雑穀類にも食物繊維が豊富に含まれるので、自分の食生活に取り入れやすいものから始めてみましょう。

まとめ

高LDLコレステロール血症にはコレステロールだけでなく、摂取する脂肪の見直しや禁煙、ダイエットが効果的です。動脈硬化は心疾患や脳血管疾患をはじめとして腎臓や全身に影響してしまうので、健康診断で分かったら早めの対処がおすすめです。

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